からあげ博士の日常と研究と

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SONY LA-EA5を使うメリット、デメリット ――君は円筒に2.5万円払う覚悟があるか?

 こんにちは。ソニー製高級円筒の所有者、からあげ博士(@phd_karaage)です。世界に誇る技術のソニー、そんな会社が作る円筒ですからなにか素晴らしい機能や新しい体験が待っているに違いありません。

 それではさっそくソニー製、高級円筒をご覧いただきましょう。

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 これがソニー製高級円筒、型番にしてLA-EA5というものになります。金属とプラスチックからなる、黒色が高級感を演出するすばらしい円筒です。正面からも見てみましょう。

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 円筒を通して世界を素通しするすばらしい機能を持った円筒です。オレンジ色の外周がまたいいアクセントになっています。飛び出したネジになにか機能があるのでしょうか?

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 ちなみにこの高級円筒ですが、持ち運びを考慮して専用のケースが付属しています。また円筒内にゴミが入らぬようしっかりと専用設計の蓋が付属しています。これなら安心ですね。

 と茶番はこれくらいにして、このLA-EA5を所有する必要があるのかどうか、そもそもこれはなんなのか掘り下げていきましょう。

マウントアダプター、LA-EA5

 ここまでさんざんバカにしてきたような表現をしてこのLA-EA5を紹介してきましたが、このLA-EA5はソニー純正のAマウント-Eマウント変換アダプターです。ソニーはAマウントを見捨てた、と言いつつも実際にはその救済措置としてEマウントとの変換を行うためのアダプターを発売し続け、これが5世代目になっています。

 この5世代目にして円筒状になり、違和感のない形で使うことが可能になっています。これまでの形からは大きく変わり、よりただの筒になってくれました。

 LA-EA3ではSSMやSAMなど、レンズ内モーター搭載のレンズに対してAFを行うことができましたが、LA-EA4ではすべてのAマウントレンズに対してAFを行うことができます。ただしカメラのAF機構を使うのではなく、LA-EA4、アダプター内のAFセンサーを使ってAFを行っています。そのためLA-EA4には透過ミラーが搭載されており、実質的にSONYがAマウントを継承しその後期に発売されたAマウントボディと同じような機構を有しています。

 そこから大進化を遂げLA-EA5では、このただの円筒にモーターまで組み込みすべてのAマウントレンズにおいてカメラのAF機構を使ってAFを行うことができます。ただし一部の機種のみで。

 どのレンズでもAFを動かすことができるのは、α7RⅣ、α1、α6600、α7Ⅳのみとなっていて、私が持っているα7R(初代)をはじめ、α7Ⅲやα7Ⅱ、α7CではAFは動きません。SSMやSAMなどのレンズ内モーターを持ったレンズだけしかAFが使えません。

 結局のところ多くのレンズに対して、古い機種のカメラを持った人間からすれば「フランジバックを埋める円筒」にしかならない訳です。

代替製品、ないの?

 結局のところ、古い機種を使っているユーザにとっては多くのレンズでAFが使えないマウントアダプタとなってしまう訳です。そんな円筒だったら代替製品ありそうだよね?ということで、調べるまでもなく売っています。

 だいたいお値段は1/5くらいで買えてしまうのに、じゃあなんでわざわざLA-EA5を買っているのか?というお話になります。

LA-EA5のメリット

 生粋のソニー信者だからという訳ではなく、LA-EA5にメリットを見出しているのでこのアダプターを使っています。以下にそのメリットを挙げていきます。

  • 絞りをボディー側でコントロールできる
  • 焦点距離、絞りの値、レンズ情報がボディーに残る
  • SSM、SAMレンズだったらAFできる

 自分は主にこの3つのメリットがだいたい差額相当だろうと考えて、このLA-EA5を購入しました。当時持っていたレンズにはSAMもSSMレンズもなかったのに……。

 AマウントレンズもEマウントレンズも電気接点を有しています。ということは電気的なやり取りによってレンズ-ボディを制御しています。一方でこのような代替マウントアダプタには電気接点がありません。ということは完全にマニュアルで操作する必要があります。

 一番困るのは絞り。Aマウントレンズには絞りリングがありません。マウント内部に絞り操作爪があるのでこの爪を操作することで絞ることはできます。しかしどのくらいの絞り値かは分かりません。加えて、露出を決定するときにこのくらいの絞りだとどれくらいになるか、AEが使えなくなるので露出決定もある程度マニュアルになります。

 また電気接点を有しているおかげで、カメラ側のExifに焦点距離、絞り、レンズ情報を残すことができます。後から写真を見返したときにどれくらいの設定で撮影したか、簡単に読み解くことができます。

 さらに、SSM、SAMのようなレンズ内モーターを持ったレンズであればカメラ側の機構を使ったAFを使うことができます。ほとんどのレンズではMFが必要ですが、多少なら動くレンズがある訳です。幸い、私も追加購入したVario-Sonner T* 24-70/2.8にはSSMが付いているので必要なときはAFを使うことが出来ています。

 こうしたメリットがあることを考え、自分はLA-EA5を購入しました。

LA-EA5のデメリットは?

 高い。ただそれだけでしょう。

 強いて言えばソニー製の電気製品であり、ぶっ壊れたら使用不能になるということでしょうか?代替製品は基本的に機械的機構しか有していないのに対し、LA-EA5は電子部品を多用している(特にAFモーター系)ため、壊れたら怖いなあというところではあります。

 過去にウォークマンを1年ちょっとで2台自然故障したことのある人間にとっては信じきれない部分ではありますね。ソニータイマーは存在するんだ……!

LA-EA5を買うべき人、買わなくていい人

買うべき人

 上にあげたメリットがあったらいいなと思える人でしょう。Eマウントに移行する際にAマウントレンズの資産も活用したいという場合において大いに役立つと思います。

 また、ソニー製SSM搭載レンズを持っているなら、間違いなく買うべきです。そのレンズではAFが動作します。

 加えてAマウントレンズを所有していて購入予定のボディがα7RⅣ、α7Ⅳ、α1、α6600であれば持っていて損はないと思います。どのレンズでもAFが動くというのは魅力的でしょう。

買わなくていい人

 これからEマウントでカメラを買おうと思っているけど、Aマウントのレンズを持っていないという人は論外です。買う必要は全くありません。また、Aマウントのレンズを使って遊んでみたいな、という人であれば代替製品で十分だと思います。

 また、昔のカメラを追体験したい人も代替製品であれば十分だと思います。そもそもExifなんてなかったフィルム時代は露出情報やレンズ情報なんてものはいちいち記録していたか、そもそも記録していなかったのでしょうから。

結局のところ

 自分はLA-EA5を買って満足しています。ボディでAマウント機同様に絞りを操作できるというのはAマウントからの移行者として幸せに思います。Aマウントを見捨てたんだ、とユーザに思わせつつも、こうした救済策を用意しているのは、コニカミノルタからカメラ事業を引き継いだ責任というのを自負しているところもあるのでしょう。

 MFしか使えないレンズを多数持っている、という意味ではちょっと残念なところではありますが、個人的にはα7R(初代)で使い続ける限りはそんなに意味がないかなと思っています。Eマウントレンズで使っていても、あまりにAFが遅かったので。

 まあ、そんなところです。

LA-EA4を手に入れたので比較してみた

 ひょんなことから、LA-EA4も手に入れたので比較してみました。その内容は別の記事で。

www.phd-karaage.com

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