からあげ博士の日常と研究と

博士課程を満期退学した人が好きなことを好きなままに書くところ。

Aマウントレンズで味わうα7Rの世界 ―― Tokina AT-X 304 300/4の場合

 こんにちは。からあげ博士(@phd_karaage)です。完全に望遠シリーズに入ってしまっていますね。望遠沼というやつです。そしてこのシリーズで初のサードパーティー製のレンズではないでしょうか。

 前回の記事ではMINOLTA AF 100-300 APOを紹介しましたが、今回はなんと単焦点。しかも望遠で開放F値が4と明るいレンズです。もちろんこれより明るい2.8のレンズがよいに決まってますが、そんなレンズを買うお金はどこにもありません。

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 このレンズはなんとジャンクで5000円程度で購入しました。ジャンク理由は時折フォーカスが上手くいかないとのこと。一応テストしてみると確かに時折無限遠方向でフォーカスできないことがありました。とはいえ写真が撮れないレベルではないので、使ってみることに。

 やっぱ望遠単焦点っていいね。そう思わせてくれるレンズでした。

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目次

ゴツイレンズである

 冒頭の写真を見ていただくとお分かりいただけると思いますが、なかなかにゴツイレンズです。レンズフードは内蔵スライド式でそれを展開してゴツイ見た目をさせていますが、レンズフードを収納してもなかなかの大きさです。

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 ただ、これがいわゆる「サンニッパ」のような300/2.8とかいう化け物レンズと比べればかなりコンパクトなレンズであることは間違いなさそうです。サンニッパはあまりに大きいですからね。

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 前回紹介したMINOLTA AF 100-300/4.5-5.6と比べると一目瞭然。ただ100-300もズームさせて300mmまで持っていくとこれくらいの長さにはなりますから、持ち運びという点ではやはり100-300のほうに分があります。

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 それぞれフードを着けるとこんな感じ。Tokinaのほうが圧倒的な存在感を示しますね。

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 LA-EA5を介してα7Rに装着するとこんな感じ。ああ、望遠使ってますねえという見た目になります。また三脚座のおかげでカメラは宙に浮いています。重さを考えると三脚を使う場合三脚座を使わないとマウントに多大な負担がかかるでしょうから、これは当然なのかもしれません。

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 フードを展開するとこんな感じ。どちらが本体なのか分からなくなってしまいますね。

城南島で飛行機を撮る

 当然ながらα7RでAFが動かないレンズではあるのですが、それ以上にMFの動作に難があるということで、ほぼほぼ無限遠で撮れる飛行機の写真をメインに今回の作例はお送りしたいと思います。

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α7R + LA-EA5 + Tokina AT-X 304 300/4 ISO:640, F:8, 1/1000

 これはある日の城南島での撮影。JTAのB737-800ですね。城南島ではRWY 22に着陸する飛行機については結構短いレンズでも撮影できるので、楽しいところです。アクセスが車以外に現実的ではないので1回しか行ってないけど。撮って出しの写真ですが、こういう写真だとF8でも周辺減光がちょっと気になるかなというところです。

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 ほぼ等倍の102%で見たときの画像。解像感は明らかに100-300APOを上回っていますね。さすが単焦点。

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α7R + LA-EA5 + Tokina AT-X 304 300/4 ISO:1600, F:8, 1/1250

 JALのA350-900の後ろ姿を。あまりいい構図ではないですが、飛行機の質感、レンズの解像がしっかり出ている写真のように思います。

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 等倍100%表示でのトリミング画像。こういったところを見てもディティールがつぶれている部分もなくしっかり写してくれます。これはさすが。

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α7R + LA-EA5 + Tokina AT-X 304 300/4 ISO:800, F:5.6, 1/1000

 これはANAのB787ですね。若干ピン甘かなという気がします。それでもこれくらいのサイズでまあええんちゃう?くらいに見える写真が撮れてしまいます。こういう城南島のような場所は単焦点よりも、望遠ズームでAF-Cあたりの設定で撮影するほうが楽だしいい写真が撮れそうです。もちろんそんなことのできる機材は私の手元にありません。

ところ変わって羽田空港で

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α7R + LA-EA5 + Tokina AT-X 304 300/4 ISO:100, F:11, 1/500

 ところ変わって羽田空港第一ターミナル。JALのB767ですね。プッシュバック中の様子になります。300mmでゲート辺りだと飛行機の全体像が写らないのがこの単焦点のネックなところではあります。

 順光かつF11まで絞っていることもあり、周辺減光などは気になりません。一方で飛行機自体がシャープに解像していて、ああ、いいレンズだなあと思わせてくれます。

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α7R + LA-EA5 + Tokina AT-X 304 300/4 ISO:400, F:11, 1/1250

 羽田空港16Rから離陸するANAのB767。少しメラっていますが、しっかり写し撮れているのではないでしょうか。なんとなくよっこいしょという声が聞こえてきそうな離陸に見えるのは僕の気のせいでしょうか。

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α7R + LA-EA5 + Tokina AT-X 304 300/4 ISO:400, F:11, 1/800

 スターフライヤーのA320。こうしてみるとかなりコントラストが高く写るレンズであるように見えますね。撮って出しで特に加工はしていないので、なるほど、こういうレンズなのかという発見です。

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α7R + LA-EA5 + Tokina AT-X 304 300/4 ISO:400, F:11, 1/1250

 JALグループ、J-AIRのE190ですね。羽田空港で撮影していると様々な機材が飛来して撮影できるので面白い場所であると再認識できます。外資系航空会社も撮影できるので、より羽田空港に通いたいなあと思う今日この頃です。

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α7R + LA-EA5 + Tokina AT-X 304 300/4 ISO:400, F:11, 1/1250

 離陸するスカイマークのB737を最後に飛行機の作例はこれくらいに。羽田空港の第1ターミナルなんかは離陸する飛行機を300mmでも捉えられるなあと思う一方で、第2ターミナルは厳しいよなあと思う今日この頃。

飛行機以外の作例をいくつか

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α7R + LA-EA5 + Tokina AT-X 304 300/4 ISO:1250, F:5.6, 1/640

 どこで撮ったか覚えていないジョロウグモ。これで最近接くらいだったと思うので、望遠マクロとしてはほどほどでしょうか。

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α7R + LA-EA5 + Tokina AT-X 304 300/4 ISO:100, F:5.6, 1/640

 道端に咲いてたユリの花ですね。こうしてみると解像はしっかり、ボケはものによっては少しうるさめという感じでしょうか。72mmの口径はこの長さに対して少々小さいのか玉ボケは周辺部でレモン型になっていますね。コントラスト高めに写るのでボケがもう少し綺麗だったらうれしいかなと思ってしまうところではあります。

Aマウント望遠単焦点としてはコスパがよい

 Aマウントの望遠単焦点はそれほどラインナップがありません。あっても高価だなあというところで、そんな中Tokina AT-X 304を入手できたのは幸運だったのかもしれません。

 MFがきちんと動作しないというレンズとして致命的な欠陥を抱えているこの個体ですが、メカ的故障のような気がするので、一回自分でバラシて修理してみようかなと思う今日この頃です。メーカーの修理受付はとっくの昔に終わっている模様。

 もし動作品が手に入るなら、これは現代でも活用できるのではないか?特にAマウントユーザは持っていても損はないんじゃないか。そう思わせてくれるレンズです。