こんにちは。からあげ博士(@phd_karaage)です。みなさんは年末年始をいかがお過ごしでしたか?私は、マウントアダプターをひたすら削っていました。は?という感じですね。
年末にある荷物がロシアから届き、その荷物を使えるようにしていたというのが本当のところです。その荷物とはこちら。
ソビエト製レンズのINDUSTAR-69 28/2.8というレンズです。またレンズかよというお話ですね(下のL39マウントアダプターはAliexpressで買いました)。
NEX-C3に装着するとどうでしょう。結構いい感じじゃないですかね?もともと28mmという画角が好きということもあって、パンケーキで28mmくらいの画角のレンズを探していました。
ただ実はもともとL39マウント用のレンズという訳ではなく、チャイカというカメラ用のレンズらしく、フランジバックが絶妙に異なるとのこと。こちらのレンズのほうがフランジバックが短いとのことで、改造をしないと無限遠が出ないとのこと。
日本国内でも改造レンズが売られていますが、遊びで買うにはちょっとお高い。という訳で自力でどうにかしてみました。
本改造を行うにあたって、以下のWebページを大いに参考にさせていただきました。ありがとうございます。
目次
フランジバックはどれくらい短い?
L39マウントのフランジバック(撮像面とマウント面、正確にはカメラとレンズの接触点の距離)は28.8mmとされていて、このレンズは27.5mmのフランジバックで設計されているようです。
専用のマウントアダプターなんてものは存在しないので、L39マウント-Eマウントのアダプターを1.3mm短くして使うか、レンズ側を改造してフランジバックを短くするという手法があるようです。
マウントアダプターは数百円、レンズはebayで数千円(今回は送料込み2600円くらい)ということを考えると、改造すべきはマウントアダプター側かなあという感じでした。
マウントアダプターを削るぞ
こちらが件のL39-Eマウントアダプター。主に2つの部品で構成されています。L39マウントの受け手と、Eマウントの刺し手とでもいうべきでしょうか。この2つは周囲3つのイモネジで固定されています。
Aliexpressで1個200円しない価格で売られていたマウントアダプターなので容赦なく分解します。
こんな感じで分離することができます。六角のイモネジで固定されていたので、六角を使って分離してあげました。そして削るのは右側のシルバーの金属パーツ。こいつを1.3mm短くしてあげることで適正なフランジバックになる、そういうことです。
ひたすらやすりがけ
サンドペーパーに水を噴射し、あとは手でこいつを削っていきます。最初は1.3mmなんて余裕だろwwwと思っていましたが、意外に時間が掛かります。参考にさせていただいた方は800番のやすりを使っていたようですが、こちらは120番の粗目なやすりを使って削りました。
もし手袋、特にラテックスなどの薄手の手袋を持っているなら使うことをお勧めします。金属粉によって手が盛大に汚れるのに加えて、削っている面がどんどん鋭利になっていくので手を切ります。僕は3か所切りました。
削りながら無限遠が出るかなーと時折アダプターを組みなおして遠くを写してみます。そうしないと削りすぎてオーバーインフの極みになってしまう可能性が高いです。ちなみに組みなおすときはちゃんと洗浄してから組みなおしましょう。うっかり金属片や粉がCMOSセンサーに飛んでった場合は内部でショートしてカメラが死ぬ可能性もあります。
ビフォーアフター
削り終わったマウントアダプターがこちら。写真では右側のアダプターになります。左側のなにも加工していないアダプターと比べ少し銀色のパーツが沈んでいるのが分かるかと思います。これが削って沈んだ分です。
正直アルミっぽいパーツを削るのにそんな時間かからんやろ、と思っていましたが、実際には数時間かかりました。
他のレンズと比べてみよう
M42マウントのSMC TAKUMAR 28/3.5と並べてみました。こうしてみると大きさは歴然ですね。M42マウントのマウントアダプターと同等くらいのサイズしかありません。しかしながら、今回購入したINDUSTAR-69はハーフカメラ用レンズですから、比較するのは酷というものです。
かなり薄いカメラになったとお分かりいただけるのではないでしょうか。APS-Cセンサで28/2.8レンズ。軽量コンパクトが生きてくるのではないか、そんな予感がしています。
もちろんオールドレンズの類ですので、現代的な解像はしないでしょう。それはなんとなく無限遠調整をしているときに思っていました。さすがに家のベランダで撮った写真になるので、その画像を作例として上げる訳には行きませんが。
なんとなくこの構成で思い浮かべるのはリコーGR Ⅲxですね。APS-Cセンサ搭載で、換算40mmのレンズを搭載したコンパクトデジタルカメラ。もちろん写りも機能もGRには負けそうですが、偽GR的カメラとしてしばらく使ってみたいな、なんてことを思っています。
とりあえずNEX-C3をようやく理想のカメラにすることにできたので、持ち歩きつつ楽しんでみようと思っています。