からあげ博士の日常と研究と

博士課程を満期退学した人が好きなことを好きなままに書くところ。

Aマウントレンズで味わうα7Rの世界 ―― MINOLTA AF 28-135/4-4.5 の場合

 こんにちは。からあげ博士(@phd_karaage)です。忙しくなるとあからさまにブログの更新頻度が落ちますね。特に年度末はあらゆることに追われていました。

 今回もレンズの話です。このレンズは結構前に入手していて、でもなかなか撮影に持ち出す機会が少なく作例と呼べるような写真をなかなか撮れずにいました。なぜなら焦点域が既にメインで使っているレンズと被るから。

 とはいえ、この一本さえ持っていればほぼほぼスナップと呼べる写真はだいたい撮れる、そういうイメージのレンズです。

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 MINOLTA AF 28-135/4-4.5は、発売当時のズームレンズとしては結構高倍率、そしてレンズとしては結構大きなレンズです。重量は750gと本気の重さがあります。決してエントリーレンズとは言うことができない、そういう趣が漂ってきます。

 このレンズはどのような世界をα7Rを通して見せてもらえるのでしょうか?

目次

ガラスの塊を体現するレンズ

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 いかにもガラスの塊という存在感を示すこのレンズ。Aマウント初期に発売されたレンズ、ということで世代的には35-70/4のレンズなどと同世代です。このレンズの入手経路としては、以前紹介した24-50/4などと同時にジャンクレンズセットとして手に入れたのでした。

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 当時の定価が9万円と決してズームレンズだから廉価、お試し、写ればいいという思想を排除した本気の設計と、本気の仕様という趣をこのレンズからは感じられます。

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 フィルター径が72mmと、コンパクトとは一線を画する存在感を放っています。

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 現代の(とはいえ1世代は前の)レンズである、Vario-Sonnar 24-70/2.8と比べてみても存在感という点では負けていないとすら言えます。開放F値が2.8と4と差こそあれ、2.8通しの存在しない時代における第一線のレンズを背負っていたのではないかと思います。

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 テレ端135mmまで伸ばすとこんな感じ。相応に長さを感じます。28mmという広角からスタートして、50mmの標準、85mm、135mmのポートレートに好適な領域をカバーするというプロユースをも想定しているレンズなのでしょう。

リアフォーカス、マクロスイッチ

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 このレンズのフォーカスリングはマウント側にあります。この世代のAマウントレンズには大変珍しいと言えます。リアフォーカシングを採用することで、フォーカスレンズ群がAF駆動部から近く、少ない力で迅速にレンズを動かせるようにという意図を感じます。

 実際にLA-EA4を使ってAFを動かしてみると、SSMレンズほどとは言えないものの、ボディ側モーターで駆動するAFレンズの中ではかなり早い動作だと言えます。

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 そしてこの世代のAマウントレンズに特徴的なマクロスイッチが存在しています。このレンズでは28mm側にマクロスイッチを押しながら回転させるとMFでマクロ撮影ができます。最大撮影倍率は0.25倍とそこそこ。まさに撮れないものはないという感じです。

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 このレンズは気軽なスナップレンズとして(ただし重量はヘビー)、LA-EA4と組み合わせるのが好適かなあと、様々撮ってみました。ちなみにこのレンズ、強光下でレンズ内部を見ると中玉に若干のくもりが見られます。その点を考慮の上写真をご覧ください。

LA-EA4と春の街を歩こう

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α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF28-135/4-4.5 135mm ISO100, 1/800, F:4.5

 春の写真としては、あるあるな桜の写真ですね。望遠端135mmで桜の枝を切り取ってみました。

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 開放でもピント面はシャープです。α7Rの約3600万画素にも負けない解像力を持っていることはさすが、そして本気のレンズづくりをしていたんだろうということがレンズを通して伝わってきます。

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α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF28-135/4-4.5 135mm ISO100, 1/640, F:4.5

 すこし桜がまとまっているところを、背景をぼかしながら撮影してみるとこんな感じに。開放がF4.5ということもあり、ボケがなめらかかと言われるとそうではないのかなあと。花弁の間がしっかりと丸ボケになって現れる部分に原因がありそうです。

 ただ色の出方といい、ボケといいミノルタレンズの系譜を担う1つであるということは間違いなさそうです。

 同じような桜の木を同じAマウントレンズのSonnar T* 135/1.8 (SAL135F18Z)で撮ってみるとこんな感じ。

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α7R + LA-EA5 + SAL135F18Z, ISO100, 1/5000, F:1.8

 まったくもって同じ構図ではないし、撮影F値も違うしとレンズの比較としては最悪な画ではありますがこのボケは構図がよくないのではないかという気がしてきます。

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 ついつい絞るということを忘れて、開放教になって写真を撮ってしまうことが多い気がします。

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α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF28-135/4-4.5 28mm ISO100, 1/320, F:8

 ワイド端28mmで2段絞ってF8で。最周辺を除いてかなり均一になりますね。最周辺は結構流れていますがこんなものかという気もします。

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α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF28-135/4-4.5 55mm ISO200, 1/100, F:8

 標準域の55mmだとこんな感じ。50mmで撮ったつもりが55mmになっていました。可もなく不可もなく。緑は鮮明に出ていて、ピント面はすごくシャープ。そんな写真になっています。

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α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF28-135/4-4.5 40mm ISO200, 1/400, F:4.5

 ゴーストはレンズが原因でしょうか。フレアは中玉のクモリが原因か判別がつきませんね。ただゴースト耐性は弱いのかもしれません。

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α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF28-135/4-4.5 28mm ISO200, 1/60, F:5.6

 ワイド端の歪曲はちょっと目立つかなあという感じです。こういう人工物を撮るとちょっとなあという感じがあります。

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α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF28-135/4-4.5 100mm ISO200, 1/500, F:4.5

 背景が比較的すっきりしている被写体だと、きれいなボケをだしてくれます。人のシルエットのボケが結構お気に入りです。

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α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF28-135/4-4.5 135mm ISO3200, 1/160, F:5.6

 シャープなところはシャープに、ボケるところはボケる、そのボケもなめらかにボケていくという点においてかなり本気で造られたレンズ、そして無理のない設計なのではないかという感じがあります。

秋の青梅鉄道公園で

 このレンズを入手したのは結構前、ということで実は秋にも持ち出していました。この時はLA-EA5で撮影していました。

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α7R + LA-EA5 + MINOLTA AF28-135/4-4.5 28mm ISO125, 1/60, F:8

 このように0系新幹線が置いてあります。車内にも入れたりするので、なかなか遊びがいがあります。ワイド端28mmでF8まで絞ることで十分な解像力を示してくれます。

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α7R + LA-EA5 + MINOLTA AF28-135/4-4.5 85mm ISO250, 1/100, F:8

 こんな感じで営業運転時には撮れなかったかもしれないアングルで撮影ができます。0系の質感が結構しっかりと撮影できているように思うのは気のせいではないはず。

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 明らかに今の季節とは違うというのが分かりますね。色の出方といい、質感といいそれをしっかりうまく表現できているように思います。この時に一緒に出掛けた友人のポートレートを撮ったりしたのですが、ボケ感といい、解像感といいいい塩梅でした。

 現代的なカリカリ解像なレンズという訳でもなく、ボケマスターといえるようなレンズでもなく、すごくバランスのいいようなレンズであると感じました。もっともその写真は出せないのでその表現は難しいのですが。

マクロスイッチを試す

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 自分のデスクの上にあるVTuber朝ノ瑠璃のアクリルスタンド。ボケ味は大変よいと言えるでしょう。

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 一方で印刷面のドットが解像しているかと言われると微妙でそこは限界があるのかなあというのが正直なところ。

寄れない以外は日常的に使えるレンズ

 マクロスイッチを使えば寄れるレンズとはいえ、ズーム域では最短撮影距離が1.5mと全く寄れないレンズ。マクロスイッチがあるからええやんという思想なのかもしれません。しかし線形的にピント面が変化する訳ではないので、使いにくいのは正直なところ。

 しかしながら、この1本をつけてAFが使えればとりあえずなんでも撮れるスナップシューターと言えるでしょう。

 現代のレンズでは24-105/4あたりのレンズがこのレンズに相当するのでしょうが、それを少し望遠側にシフトしたようなレンズではある訳です。この135mmまで使えるというのは強力なところ。 

 ミノルタの色味、ボケ味をしっかりと出していて、現代のカメラにも十分対応できるだけの解像力をもつこのレンズ。もし状態のいいものを見かけたら手に入れておいてもいいかもしれません。