こんにちは。からあげ博士(@phd_karaage)です。カメラを買ってからというもの結局アウトプットもなく日々を過ごしてしまいました。なかなか自分にはYoutuberのようなレビューをすることは難しいですが、せっかくいいものを手にしているのだから、何かしら記事を残していこうと思います。
今回紹介しようと思うレンズはソニー製のAマウントレンズ、Vario-Sonnar T* 24-70/2.8(SAL2470Z)というレンズです。このレンズはソニーがAマウント事業を引き継いでから作られた大三元レンズの1つです。
大三元レンズとは、レンズの明るさがF2.8通しのズームレンズで、一般的に各社16-35mm、24-70mm、70-200mmの3本のレンズが設計、製造されます。それはEマウントでも同様で、この焦点域のレンズはGMasterと称して高級なレンズが作られています。
あれ、α7Rを買ったという記事で、Vario-Tesser T* 24-70/4も一緒に買ったという話をしていなかったか?と気づいた方もおられるでしょう。その通りです。しかし、諸々思うところがありこのレンズは売却してしまいました。親戚に売却したので、親戚価格ということでほぼほぼ相場通りのお値段を頂きました。
それではさっそくVario-Sonnar T* 24-70/2.8について見ていきましょう。
とても大きいレンズ。人前で威張り散らすにはちょうどいい。
このレンズ、非常に重く大きく、スマホによる写真撮影が全盛を迎えるこの時代において逆を向いたレンズのような存在です。しかしながらフルサイズセンサーに対してたくさんの光を集める必要がある、F2.8というレンズにおいては一般的な大きさなのかもしれません。
レンズ単体で見るとそこまで大きくないように見えるかもしれませんが、カメラにいざ装着するとなると、話は変わってきます。ましてやEマウントカメラにAマウントレンズを装着するとなると、マウントアダプターが必要になります。ここではLA-EA5と共にカメラに装着した画像をお示ししましょう。


大変威圧感があるような、そんなカメラが完成します。さもプロが持ち歩くような、写真が上手な人が持ち歩くような、そんな雰囲気をカメラから醸し出してきます。
これは別に、このレンズが特別そうだからという訳でもなく、このクラスのレンズはおおむねこのような存在感を与えることでしょう。俺は写真ができる、いいレンズを持っていると威張り散らすにはうってつけのレンズとも言えます。
この中にカメラの2倍にもなる重量のレンズが17枚(955g)入っているということを考えれば、この大きさ、存在感にも無理はありません。このレンズが発売されたのが2008年ですが、同等のスペックを持つレンズが現代においてもSONY製GMasterが886g、シグマ製Artライン24-70mmが830gであることを考えると極端に重く、現代のカメラにおいてありえない存在という訳ではないでしょう。
マウントアダプターを含めると1kg、カメラ重量を合わせると1.5kgと腕の運動になることは間違いありませんが、カメラが趣味である、写真が趣味であるという人間がこの程度で音を上げる訳にはいかないのです。結局のところ古いカメラ、レンズであれ、新しいカメラ、レンズであれ大きいものは人に見せびらかすものとして正義なのです。たぶん。
お買い得ではない、このレンズ
さて、2008年に発売されたそれほど古いとは言えないまでも、Eマウントに完全に互換している訳ではないこのレンズをなぜ2021年になって買ったのか。レンズの写真を見ていただいて一目瞭然ではありますが、新品で買ったものではありません。
端的に言えば「このレンズに憧れがあったから」。この理由以外に、EマウントネイティブなVario-Tesser T* 24-70/4を売り払ってまでもこのレンズを買う合理的な理由が見当たりません。
自分がAマウントシステムに触れてからだいたい10数年。このレンズはレンズカタログの目立つところに常に掲載されていました。お値段はなんと25万円前後。こんなもの中学生や高校生がまかり間違っても買えるものではありません。
しかしAマウントがソニーから見捨てられ、多くのユーザーがEマウントに流出してきました。そのおかげというべきか中古で割と投げ売られるようになってきたこのレンズ。学生と言えども多少カメラにお金を出せるようになった今なら買えるお値段になってきました。
自分は状態が絶妙なこのレンズを5万円ほどで中古カメラ屋さんから購入しました。レンズ内に結構ゴミがあるけど。
シグマのEマウントネイティブな24-70/2.8 Artラインが10万円ちょっとで購入できることを考えると、「憧れがあったら買ってもいいけど、そうじゃないならシグマのレンズを買ったら?」とアドバイスするような気がします。スペック的には同じだし、こっちのほうが軽いし。
そういう意味で当時の新品価格と比べるとかなり安く購入できたことは間違いないですが、真にお買い得であったかと言われると自信がないですね。見捨てられたマウントのレンズを5万円で買う、というのはある意味オールドレンズ趣味でもなければ狂気とすら言えます。Aマウントをオールドレンズと言われると悲しくもなり、かつオールドレンズではないだろうと思っているので。
このレンズのベストショット
戯言はどうでもいいからさっさと作例を見せろよ、という話ですね。という訳でこのレンズで撮影した今のところのベストショットを紹介しようと思います。
α7R+LA-EA5+SAL2470Z 70mm, ISO100, 1/500, F:4.0
これのどこがベストショットやねん、と思うかもしれませんが、このレンズの特徴をしっかり表しているんじゃないかなと思っている1枚です。解像するところはしっかり解像し、ボケはふんわり悪くないという印象をこのレンズに抱いています。しかもこのレンズにはSSM(レンズ内モーター)を搭載しているのでLA-EA5経由でカメラにマウントした場合でもAFが使えるんですよね。α7RだとコントラストAFしか使えなくてめちゃくちゃ遅いけど。
等倍で拡大してもこの解像感。ピント位置のしゃっきり感にふんわりボケが生じていくこの感じは、今まで持っていたレンズでは出せないよなあなんて思ってしまっています。もちろん今までにこんな高級なレンズを持っていたことなんてないのですが。
もちろん単焦点レンズのほうがよりよい解像感にボケを生じさせることができるでしょうが、ズームレンズでここまでとは!というのが自分の中でものすごくうれしいところでした。
他にも作例を
α7R+LA-EA5+SAL2470Z 50mm, ISO1600, 1/60, F:5.6
F5.6まで絞っても絞りは比較的円形を保ってくれているようですね。
α7R+LA-EA5+SAL2470Z 50mm, ISO400, 1/60, F:2.8
F2.8まで開けられるレンズということで開放の作例も。ピント面の薄さと、ピント位置の解像感がお分かりいただけるのではないかなと思います。
α7R+LA-EA5+SAL2470Z 50mm, ISO100, 1/250, F:4
山梨の昇仙峡での一コマ。撮って出しの画像ですが、結構このレンズの色乗りがいいのがお分かりいただけるのではないかなと思います。あー、これこれカールツァイスって感じです。この傾向はもう手放したVario-Tesser T*24-70/4にもありました。なにか一定の基準があるんでしょうね。
α7R+LA-EA5+SAL2470Z 50mm, ISO500, 1/60, F:2.8
その辺の紅葉も撮影してみました。ボケはうるさすぎず固すぎず、という感じでしょうかね。この画像でも分かりますが、周辺の口径食はちょっとレモン型ですね。
α7R+LA-EA5+SAL2470Z 50mm, ISO100, 1/640, F:2.8
口径食のイメージがつかみやすいのはこの画像でしょうか。大した写真ではないですが、結構食が歪んでいるなあ、周辺は割と厳しいなあというのを感じます。
α7R+LA-EA5+SAL2470Z 30mm, ISO100, 1/250, F:2.8
ここまで50mmの作例しかなかったので、違う焦点域の作例を。やっぱり色乗りがいいですよね。撮って出しでここまで出てくるのはうれしいものがあります。
α7R+LA-EA5+SAL2470Z 24mm, ISO100, 1/800, F:5.6
ここでは広角端の作例を。かなり空の青色が映えるように出ています。もちろんPLフィルターなどは使っていません。歪曲は結構出るなあという印象です。もちろんCapture Oneとか使って補正できるんですけどね。
ただ気になるのは最周辺付近の画像。結構流れてるんですよね。この辺りまで見て文句言うのもどうかとは思いますし、中古品であることを考えると仕方ないところではありますが。
上記画像の左下を等倍表示で切り抜いたもの。ごくごく最周辺の像が完全に流れている。
まとめ
Aマウントレンズフラッグシップと言っても過言ではないVario-Sonner T* 24-70/2.8を購入したよ、作例を示したよ。というお話です。
既にLA-EA5などのマウントアダプタ―を持っていて、かつα7Ⅱなどの機種を使っているなら新たに買ってみてもいいかもしれませんね。ただシグマの同スペックレンズのほうが幸せになれる気がします。
まあそんなところです。