からあげ博士の日常と研究と

博士課程を満期退学した人が好きなことを好きなままに書くところ。

特典航空券と新型プリウスで行く、温泉津温泉日帰り旅行

 こんにちは。からあげ博士(@phd_karaage)です。これまで数多のブログをスクラップアンドビルドしてきて、そのコンテンツの中心にあったのは旅行記でした。このブログを書くようになってからというもの、旅行に関する話題を書くことはほぼなく……という状況でした。

 もちろん旅行に対する興味関心を失ったという訳ではなく、旅行には行っているのだけれど、このように記事化することなく時は流れ……という感じでした。ただ、アウトプットもなく出かけるだけというのもどうなんだろうか、と思い至ることもしばしば。そういう訳で、誰に頼まれた訳ではないにせよ、久々に旅行記なるものを書いてみようかと思ったのでした。

目次

JL277 東京/羽田 → 出雲

 旅の始まりは早朝の羽田空港から。日帰り旅行ということで一日を有効活用しなければなりません。そういう訳で朝イチの飛行機で東京を離れることにします。今回の目的地は島根県の温泉津温泉。さすがに陸路で日帰り往復はかなり厳しいため飛行機で向かうことにしましょう。

 早朝の7時10分発という、多くの人が出勤するような時間よりも早い時間の出発便ですが、この日の出雲行きはほぼ満席。週末とはいえ日曜日ですから、この需要の旺盛さには驚くばかりです。もっとも出雲周辺、出雲市や松江まで陸路で移動しようとすると6時間から7時間かかるところですから、多くの人は飛行機を選ぶのでしょう。飛行機だとおよそ1時間半ほどで到着します。

 幸い前日に航空券を発券したにも関わらず、窓側、それも非常口座席という足元の広い座席にありつくことができました。しかも隣は空席。何と運のいいことでしょう。この先も運のいい旅行になることが期待できますね。

 今回の航空券は往復共に特典航空券で発券しました。7000マイル+空港利用料(PFC)の370円。前日に予約発券してこのお値段で旅行できるのですからありがたい話です。以前までは学生カードの会員だったのでこの半額のマイル数で移動できたんですけどね……。

 飛行機は定刻に出発。力強く離陸をしていくと東京湾で旋回し日本列島を横断していきます。遠くに見えているのは立山連峰でしょうか。よく晴れた日だったので、かなり遠くまで見渡せます。6月に入りドリンクのコーヒーでアイスコーヒーを選べるようになっていました。ホットコーヒーも嫌いじゃないのですが、猫舌気味の自分にとってはアイスコーヒーの用意があるのはありがたい限りです。

 飛行機は順調に飛行を続け、宍道湖上空を経て出雲空港へ。出雲空港は宍道湖に向けて滑走路が伸びているため、着陸時は宍道湖を一望することが多くの場合可能です。こうしてみると宍道湖もなかなかに大きい湖であることがわかります。松江から出雲の辺りまでずっと湖、ということですからね。

 そんな訳で無事到着。定刻より5分早い到着でした。出雲空港の愛称は「出雲縁結び空港」。なかなかにクレイジーな愛称だと思うのですがいかがでしょうか。それこそ、山陰地方の空港には同様になかなかクレイジーな愛称がついている空港が多数あり、

  • コウノトリ但馬空港
  • 鳥取砂丘コナン空港
  • 米子鬼太郎空港

といった感じ。この中で一番「ヤバイ」と感じるのは「鳥取砂丘コナン空港」ですが、皆さまいかがでしょうか。

 鳥取砂丘コナン空港はガチ。ロゴもちゃんと合わせてくるくらいだからね(以前撮影したもの)。

レンタカーを借りよう。ワンウェイで。

 という訳で出雲までたどり着いた訳ですが、現地での足をどうにかしなければなりません。今回は往復共に出雲空港発着とできればよかったのですが、残念なことに帰りの出雲からの飛行機は昼便以降すべて満席。当然ながら予約発券はできないということで、同じく島根県にある萩・石見空港から帰ることに。

 ということは、出雲空港から萩・石見空港までは自力で移動する必要があるということ。公共交通機関での移動も可能ではありますが、観光や温泉に入る自由度を考えるとレンタカーを借りて自由に移動したほうがよいということになります。

 前日に航空券と共に予約したのがこちらのレンタカー。

 トヨタレンタカーの新型プリウス。もちろんこれより安いクラスにも空車があったのですが、ちょうど乗ってみたい車種だったということで、車種指定料金を加えて予約しました。HV車なのでガソリンスタンドに寄らずに返却して距離精算しても燃費計算してくれるのでお得ですしね。

 2023年7月以降の予約からトヨタレンタカーの同一県内ワンウェイ料金無料が無くなり、今回利用する区間では3,300円のワンウェイ料金がかかるようになりますが、利用日時点では無料。およそ150kmも離れた区間でワンウェイ料金が無料というのは正直なところすごいな、と思うのは以前レンタカー屋さんでアルバイトしていた経験があるからでしょうか。他社だと1万円程度のワンウェイ料金を取られても不思議ではない区間です。

とりあえず出雲大社に行く。

 出雲大社には何度か来たことがあったのですが、とりあえず温泉への通り道にあるし、朝食がてら出雲そばでも食べようかということで、出雲大社に足を運ぶことに。空港から車でおよそ30分ほど。レンタカーを借りる時間まで含めれば、空港から公共交通で向かうのとトントンくらいの所要時間でしょうか。道幅もそれなりに広く走りやすい道が出雲大社まで続いています。神が通る道、ということでしょうか。

 第一駐車場から向かうと、大きな鳥居の脇から向かうことになるので早速出雲大社の拝殿のほうへ。なるほど、これが例のしめ縄か。という感じですね。正直なところ神に対する信仰心のようなものはさほどある訳ではないので、礼儀作法に従って参拝した後はおみくじを引いたり、写真を撮ったり。

 立派なしめ縄ですね。以前はこのしめ縄にコインを刺すことが流行っていたようですが、今はそれもほぼ見られず。昔は縁起がいいものだとされていたようですが、一種の都市伝説的なものだったらしく

注連縄は神様がお鎮まりになる御神域を示し結界する神聖なものです。その神聖な注連縄にお賽銭を投げ入れるという行為は、神様に対して失礼にあたることです。従って縁起が良いことではありません。*1

 と公式に否定されています。信仰心が薄いからと言ってもさすがに「神様に無礼」と言われれば、運試しにやってみるかという訳にもいきませんね。その代わりと言ってはよくないのかもしれませんが、おみくじを引いてみると、「何やっても運がいいぞお前」みたいなことが書かれていて、気分が上がったのでした。

 参拝後は腹ごなしということで、出雲そばを食べられるお店へ。4段割子そばを頂きます。SNS映えといったことを気にするのであれば、各段が見えるように分解してから写真を撮るべきでしたね。お腹が空いていたという言い訳をさせてください。

本日の目的地、温泉津温泉に行こう

 出雲大社から温泉津温泉までは約60km、1時間ちょっとのドライブ。大半の区間は国道および新直轄方式で整備された高速道路(すなわち料金は無料)ということで、走りやすい区間ではあります。温泉津温泉のラストワンマイル部分についてはちょっと道幅が狭い区間が続くため運転には注意が必要です。

 そうしてたどり着いたのが、この街並み。古くからの温泉街といった街並みです。駐車場から5分ほど歩くと本日の目的地、温泉津温泉・薬師湯に到着します。

 温泉の質の評価がとにかく高いということで、非常に楽しみにしてきたところです。会社のSlackに自己紹介を書き込んだ際、真っ先にオススメされた温泉の1つでもあります。そうとあれば行かない手はありませんね。

 浴場の様子は当然ながら撮影できないので、公式サイトを参照いただくとして、少し小さめな浴槽が1つ。洗い場が5個程度の小さな温泉ではあります。「温泉成分が濃いのでまずは足からかけ湯をして」とあったので、それに従って入浴することにします。

 温泉の色は入った時には黄色主体の色でしたが、日や時間によって変わるとのこと。タイミングによってどのような成分が出てくるかが変わるのでしょうか。硫黄泉のような見た目ではありますが、硫黄成分はほぼ感じることなく、どちらかと言うと鉄イオンが豊富に含まれているように感じました。確かにこの温泉成分の濃さ、のようなものは評価が高いのも頷けるなと思うのでした。

 指示されている通りに2~3分入浴して体を休ませ、また入浴する、それを繰り返すことによって大変気持ちの良い温泉体験となったのでした。近所にあれば通いたいなあと思える温泉。そんな感じです。ただし浴槽が狭めなので、混んでいるときはどうなっちゃうの???という疑問はあったりします。

 湯上りに体を休めるのに最適な場所がこの薬師湯にはあったりします。屋上のテラスで火照った体を休めながら、サービスのコーヒーを頂くのが最高に気持ちいい。夏の暑い時期ではなく6月のようなほど良い時期に来れたのは幸せだったかもしれませんね。もっとも夏は夏でどんな感じなのか気になるところです。

 とにかくいい温泉だぞ、というアピールがすごい。

お昼ご飯を食べよう。海鮮が食べたい。

 本日の目的地に到達したものの、日帰り旅。当然のことながら家に帰らなければなりません。温泉で仕上がっていい気持ちではありますが、前進あるのみということで早速温泉を後にします。温泉を出たのがちょうどお昼時くらい。幸いと言うべきかお腹の中には出雲そばがまだ残っているのでしばらくは持ちそうです。ということで温泉から少し離れた場所までお昼ご飯を食べに行こうと。

 Googleマップでよさそうなお店を見つけたので先に進みます。温泉からは約30kmほど。いいドライブです。

 そうしてたどり着いたのが、めし処ぐっさん波子店。人気店らしいですが、お昼も過ぎたし待たずに済むかな……?と期待しましたがそうもいかず。ただフードコートにあるような呼び出しベルを持って車の中で待てるというシステムは大変ありがたいですね。

 ここまでの走行距離はだいたい110kmほど。かなりのんびりとした旅だということが分かりますね。しかしなんというか新型プリウス、あまり燃費はよくないなというのが正直なところ。燃費特化ではなくなったとはいえ、下道or制限70km/hの高速道路主体でこの燃費というのはかつてのプリウスや、ヤリスHV、アクアを知っているものからするとちょっと驚きではあります。

 20分ほど待って店内へ。1人旅なのでカウンターへ。今回は特上海鮮丼とバトウフライを頂くことにします。地魚系の海鮮丼に外れはない、というのが勝手な持論ですが今回も大当たり。ここはまた是非来たいお店の一つになりました。追加で頼んだバトウフライもなかなか。白身魚のフライですが、タルタルで食べてもソースで食べても美味しい一品です。にしても今日は食べすぎですね。朝からそばを食べて、昼にはこんな豪華な海鮮丼なんて。

ちょっと海を眺めつつ、プリウスの中身を見てみる。

 先ほどのお店から1~2kmほど出雲方面へ戻ったところに海辺の駐車場が。恐らく夏場は海水浴場かなにかになるのでしょうか。車を広く止められそうということで、ちょっと寄り道してみることに。

 かなり海がきれいですね。ここで一日ボーッとしていてもよさそうなものですが、今の自分には18時15分発の飛行機で家に帰るというミッションがあります。残念ながらボーッとしている訳にはいきません。

 せっかくなのでモデルチェンジしたプリウスを見てみましょう。デザインは賛否こそあれ、プリウスらしさは残っているような気が。

 遠くから見てもああ、プリウスだよねとなんとなく分かるデザインに仕上がっていると思うのですがいかがでしょうか。

 一人旅なので空間を自由に使っています。もっとも使う空間は運転席だけなのですが。

 今回驚いたのは、車両に装備されているUSBソケットがすべてUSB-Type Cになっていたこと。自分は常にC-Cのケーブルも、A-Cのケーブルも持ち歩いているので問題ないのですが、レンタカー的にはちょっと困る人も出てくるかも。自家用車で買う人には何ら問題ないことでしょうが、レンタカーで利用する場合は要注意です。

空港に行くまで時間があるから、衣毘須神社に行ってみよう

 海を眺めプリウスを眺め、時刻は15時過ぎ。空港まではだいたい50kmほど。余裕をもっても1時間ちょっとで着いてしまいます。一方飛行機は18時15分発ということでまだ若干の時間があります。どこに行こうかなと調べていると、大潮時はアクセスできない神社があるとのこと。なんだか面白そうだったのでちょっと行ってみます。

 空港を少し通り過ぎて神社の駐車場へ。こちらもラストワンマイルが結構狭い生活道路を抜ける必要があるので運転には注意が必要です。という訳でたどり着いたのは衣毘須神社(えびすじんじゃ)。この駐車場から300mという表記がありますが実際にはもっとあったような。

 なるほど。ここが大潮の時には沈む参道か。アクセスできるときに来れたのはある意味でラッキーなのかもしれませんが、参道が沈んだタイミングで訪れてみるというのも面白そうかも、と思ったのは正直なところ。

 近づいてみるとお参りするには結構登ることが分かります。

 登った先の灯篭と海。

 特におみくじやお守りといったものの授与所はなく、地域の神社といった風情の場所。とはいえ、ここまで来た達成感のようなものはあります。御朱印の類も恐らくないと思われます。この辺りは特に収集している訳ではないので確認すらしていません……。

 登った先からの景色はこんな感じ。日本海側の荒々しい磯、といった趣を感じますね。

 駐車場から参道に至るまでにはこんな場所も。恐らく地元の方が整備されている休憩所のようなところでしょうか。こういった場所が複数あり、最寄り駅や駐車場からそれなりに距離があるなあというのを感じます。

空港へ向かおう。萩・石見空港へ。

 先ほどの衣毘須神社駐車場から車で15分ほど。山陰地方で最も普通な名を冠した「萩・石見空港」へ。ここでレンタカーも返却です。空港駐車場でそのまま返却できるというのはなかなかありがたい限りですね。空港自体はかなりこじんまりとしていて、地方空港の中でもかなり小さいほう。ぱっと思いつくところで言うと大館能代空港と同じような感じでしょうか。

 ちなみにここまでの最終走行距離は175km。貸渡時にリセットした燃費は24.0km/Lとプリウスの燃費と聞くと少々物足りない感じも。燃料費は燃費精算で1,195円でした。1Lあたり164円計算ですね。とても割高という訳ではないので、ガソリンスタンドを探す手間を考えたら、燃費精算はありですね。

帰りはプレミアムクラスで帰ろう……!

 帰りも行きと同様に特典航空券で。萩・石見空港はANAしか就航していない空港のため、ANAで発券しました。ちょうどこの時通常の特典航空券よりも少ないマイル数で特典航空券と交換できる「トクたびマイル」の対象区間となっていたため、4500マイル+PFC(370円)で交換できました。萩・石見往復でもよかったのですが、それはそれで、行きの飛行機が満席かつ時間的にちょっと遅めだったので今回のような旅程となったのでした。

 座席指定をしようとWebページを開くと、真ん中の座席しか空いていないという混雑具合。そんな中「プレミアムクラスにアップグレードできます」という表記を見かけてついアップグレードしてしまいました。

 ANAは今、IC付きマイレージカードやクレジットカードで直接搭乗できないようになり、スマホでチェックインが必要になってしまいました。スマホのQRコードを搭乗口でかざすというのにちょっと面倒くささと、うまくかざせなかったときに引っかかった場合の恥ずかしさがちょっと嫌だったので、紙の搭乗券をもらうべくカウンターでチェックインしてきました。カウンターもがら空きだったので。正直ANAカードでそのままSkip搭乗できたほうが便利、と言ってはいけないのでしょう。

 そしたらなんと「今日はプレミアムクラスで提供する食事が用意できなかったので、お金を一部返しますね」とのこと。まあ朝も昼もがっつり食べて正直お腹も空いてなかったし、ちょうどいいやと現金で一部お金を返してもらったのでした。座席が広くなっただけで正直十分ではある。噂によるとANA FESTA利用券などで返金される場合もあるようですが、萩・石見空港にANA FESTAがないことから現金での返金だったのでしょうか。

 使用機材到着遅れで、15分ほど遅れの出発。

 帰りはさすがに通路側しか取れなかったため通路側で。とはいえプレミアムクラスの広さがあれば窓の景色を眺めようと思えば眺められるなという感じ。差額がJALのクラスJよりも大きいことを考えれば、座席の広さなどもなるほどといったところですね。

 プレミアムクラスということでアルコールも飲み放題なのですが、羽田空港から帰るのが面倒くさくなるなあと思い、オレンジジュースで我慢。上空はアルコールの回りが速くなるとも言いますしね。そんなにアルコールに強くないし。

 今日はお食事をご用意できず申し訳ありませんなどとCAさんからも言われ、せめてお味噌汁だけでも……とお味噌汁を持ってきてくれました。この待遇には恐縮しっぱなしです。僕はそんなに偉い人間じゃないぞ。

 ただ、周囲の人がみんな食事をしているなか自分だけ飲み物だけというのもちょっと気恥ずかしいかも、と思ったのも事実。なかなか難しいですね。僕は座席が広くなっただけで満足だし、お腹も空いてないからちょうどよかったのにとうまく伝えるのも難しい……自分自身のコミュ力について改めて考えたのでした。

 13時間ぶりに羽田空港に到着。これにて日帰り温泉旅行は終了したのでした。

日帰り旅行はいいぞ。

 飛行機を使う距離の日帰り旅行、旅費のわりにもったいないのでは???と思われがちですが、1日で完結することのメリットも結構大きいようなと思う今日この頃。結構こんな感じのお出かけも好きだったりします。旅行は好きだけど家も大好き人間なので、案外こういった旅行スタイルも向いているのかなと思ったり。ただし旅行支援の類は宿泊に対して補助であることが多いので、そういったものが使えないというのはちょっともったいないかもしれませんね。

 結構出かける機会は多いような気がするので、またこういった旅行記が書けるといいですね。