こんにちは。からあげ博士(@phd_karaage)です。前回の記事の続きのような感じで、LA-EA4とLA-EA5を撮り比べていきたいと思います。ん?K&F Conceptのアダプター?さすがに1枚撮るたびに3つのマウントアダプターを交換するのはしんどいのと、実用的に電子接点を持たないマウントアダプターは厳しいので今回はパスです。
今回改めて検証してみて思ったのは、トランスルーセントミラーは画質に影響を与えないということ。理屈的にもソニーの宣伝でもそのように謳っていたのですが、実際に使ってみないと何とも言えないよなあと思っていたので、今回の検証は個人的には有意義だったと思っています。
というか、この辺をちゃんと理解していればトランスルーセントミラー搭載のAマウント機をもっと前に買っていたのかなあとも思ったり。いや、そうだったとしたら今使っているα7R(初代)とは出会わなかっただろうから難しいところです。
一方で0.3EV程度の減光はやはりあるのかなあというのは正直なところ。とはいえイメージセンサーが発達した今、これら減光はさほど影響を与えないのでは?という気がしています。この程度であれば別によほどシビアな条件ではない限り、ISO感度でどうにでも対応できてしまいますからね。
それでは実際の写真を見てみましょうか。
目次
隅田川沿いを散歩する
(左) α7R + LA-EA5 + MINOLTA AF 28/2.8 ISO:100, SS 1/250, F:8
(右) α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF 28/2.8 ISO:100, SS 1/250, F:8
隅田川テラス、遊歩道になっている入口、綾瀬橋から向島線を眺めた様子。露出はマニュアルモードで、マウントアダプター交換によって露出が変化しないように撮影しています。もちろん夕暮れなので数分の差で露出は変化してしまう訳ですが。
恐らく、左のLA-EA5で撮影した写真のほうが適正露出なんですが、夕暮れの雰囲気を出すならLA-EA4くらいの露出が正解かなあと思ったり。もちろんどちらもJPG撮って出しです。
Capture OneでRAWを等倍表示で切り出したものはこちら(画像順は上と同じ)。こうしてみると、LA-EA5で撮影したものは隅田川の看板がギリギリ潰れずに見えますが、LA-EA4で撮影したものは文字の識別は困難ですね。
Capture OneでLA-EA4で撮影したものを、0.99EV(≒1EV)上げたものはこちら。これなら読めますね。
ただ1EVも減光するのか?と言ったらさすがにそれはいくらなんでも嘘というやつでしょう。夕暮れ時に撮影時間に2分差もある訳ですからこれくらいの差はありそうなもんです。
(左) α7R + LA-EA5 + MINOLTA AF 28/2.8 ISO:100, SS 1/80, F:2.8
(右) α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF 28/2.8 ISO:100, SS 1/80, F:2.8
引き続いて隅田川テラスを進んでいきましょう。等間隔にある浮き輪。この写真はLA-EA4(右)で撮った写真が先、LA-EA5(左)で撮った写真が後、という順番で撮影しています。LA-EA4で露出を合わせたので、LA-EA5で撮影したほうはちょっと明るめになっている気がしますね。こちらは0.3EV差くらい。
等倍で見るとこんな感じ。
こちらも左右は上の写真と同じく、LA-EA5が左、LA-EA4が右。等倍で見ると解像に大きな差はなさそうですね。仮に微妙に差があったとしても目で見て分からないレベル(α7Rの3640万画素であれば)。
というか微妙にピントが合ってないような気がしますね……。
(左) α7R + LA-EA5 + MINOLTA AF 28/2.8 ISO:100, SS 1/80, F:8
(右) α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF 28/2.8 ISO:100, SS 1/80, F:8
タワマンと橋と隅田川。空を大写しにするとあー、減光してるのかもねえ。というのが分かるかも。これはLA-EA5(左)で先に撮った後、LA-EA4(右)で撮ったという順。
(左) α7R + LA-EA5 + MINOLTA AF 28/2.8 ISO:100, SS 1/80, F:8
(右) α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF 28/2.8 ISO:100, SS 1/80, F:8
水神大橋までやってきました。だんだん陽が落ちていくのが分かりますね。撮影順は左のLA-EA5で撮影したのち、LA-EA4で撮ったという感じ。結局完全な同条件で撮影は厳しいので多少減光していても時間差のせいだと思えば、こんなもんなんじゃね?という気がしてきます。
解像でいうとたぶんLA-EA5で撮影したほう、ちょっとブレているかな?と思うので拡大しないでおく。LA-EA4で撮影したほうはしっかり解像しています。
(左) α7R + LA-EA5 + MINOLTA AF 28/2.8 ISO:200, SS 1/80, F:8
(右) α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF 28/2.8 ISO:200, SS 1/80, F:8
デカいガスタンク?。なんとなく夕焼けの色合いがいいなあと思って撮ったもの。スナップだしよさげに撮れればいいでしょという開き直り。こればLA-EA4(右)で撮ったものが先で、LA-EA5(左)で撮ったものが後という順番で撮影したものです。
時間差も相まって露出に大きな差は感じられないというのが正直なところ。こんだけマウントアダプターを交換してたのでついにセンサーにゴミが乗ったかと思ったら雲だったので一安心したのでした。
等倍切り出しはこんな感じ。絞ってもあんまりよくないんだよなあと言っていた親戚の言葉がちょっとわかるかも。現代的なカリカリ感はあまりないレンズではあるかもしれないですね。
ここまでの写真は撮影データにも記載したとおり、MINOLTA AF 28/2.8で撮影したものでした。
MINOLTA AF 50/1.4に交換して何枚か撮る
レンズ交換式なんだからレンズ交換しろよ、ということでここからは50mmの1.4に交換して撮影します。なんともコンパクトな構成で散歩していたことが分かりますね。
(左) α7R + LA-EA5 + MINOLTA AF 50/1.4(旧) ISO:400, SS 1/125, F:4
(右) α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF 50/1.4(旧) ISO:400, SS 1/125, F:4
強い光を入れればフレア、ゴースト出ないかなあなんて思ったのですが、50mmは案外この程度ではびくともしません。結構明暗差が出たなあなんて思っていましたが、撮影時間に2分半ほどの差があったのでこんなものかもしれませんね。撮影順はLA-EA5→LA-EA4です。
(左) α7R + LA-EA5 + MINOLTA AF 50/1.4(旧) ISO:400, SS 1/125, F:2.8
(右) α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF 50/1.4(旧) ISO:400, SS 1/125, F:2.8
今度は撮影順がLA-EA4→LA-EA5。時間差もそんなにないので、まあこんなもんか程度の差。画としてはLA-EA4で撮れた写真のほうがいいですね。というかフレア、ゴーストでどうこう議論するんだったら、MINOLTA AF 20/2.8 NEWを持っていくべきでしたね。奴は盛大にフレア、ゴーストが出るから。
(左) α7R + LA-EA5 + MINOLTA AF 50/1.4(旧) ISO:800, SS 1/125, F:2.8
(右) α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF 50/1.4(旧) ISO:800, SS 1/125, F:2.8
今回撮り歩いた写真の中で一番気に入った写真がこれ。特に右のLA-EA4で撮影したほう。ちょっと面白くないですかね。他の人ももう撮ってそうな構図ではあるけど。撮影時間は2分差なので、ちょっと想像以上に暗くなったけどこんなもんかなあという感じ。
もう少し絞りたい感はあるけど、F:2.8でも結構スカイツリーがシャープに写っているからこんなもんでもいいかもしれないなあと。50/1.4は開放が甘々だけどこれくらい絞ってあげると結構シャープに写ってくれるのでよいレンズ。
結局のところはAE使うなら何も気にしなくていい
今回はLA-EA4をイジメぬいてやろうと意気込んで結構LA-EA4に不利な条件で撮影してみた訳ですが、結局のところ多少減光したところでAE使って露出合わせるならどうでもいい話だし、トランスルーセントミラー搭載当初に聞こえていた画質低下の噂もどうやらデマっぽいなあというのが分かった訳です。
結局マウントアダプター選びは自分が使うレンズとボディとの相談ですね。α7R初代だったらLA-EA4はSSM搭載レンズに使ってもいいかもしれない、と正直思ってしまった(コントラストAFしか搭載していないから)。SSM搭載レンズの挙動がかなりいいぞ。
ただ今更初代α7RでLA-EA4とLA-EA5を悩む、というシチュエーションは考えにくいでしょうから、結局レンズ内モーター搭載Aマウントレンズを所有していて、それをメインに使いたいならLA-EA5、非レンズ内モーター搭載レンズをメインに使いたいならLA-EA4という結論は変わらなさそうです。
もちろんボディがα7RⅣとか、α7Ⅳとか、α6600だったら迷うことなくLA-EA5を使えばいいんですけどね!
というか、LA-EA5、だいぶ値段が下がっているな……。