こんにちは。からあげ博士(@phd_karaage)です。ひょんなことからLA-EA4が手に入りました。というのも、親戚から「俺、α7RⅣ買ったんだわ。LA-EA5あれば十分だからやるよ」ということでもらいました。α7RⅣうらやましい……。
ということで自分の手元には、SONY純正のAマウント to Eマウントのアダプターが2つ(LA-EA4, LA-EA5)、さらにサードパーティーのK&F Concept製のAマウント to Eマウントのアダプターが1つ、合計3つのマウントアダプターがあります。
ボディが1つしかないのに、アダプターが3つというのは大変気が狂った状況ではありますが、ちょうど比較するにはいい機会、ということでちょっと写真を撮りながら遊んでみました。
目次
- それぞれのスペックはどんなものか
- 3つのアダプター使って撮影してきた
- 結局どのアダプターを使うべきか?(持っているカメラから考える)
- K&F ConceptのマウントアダプターはAマウントを初めて買う人向け
- 想像以上に記事が長くなったので、LA-EA4,LA-EA5の比較作例は次の記事で
それぞれのスペックはどんなものか
LA-EA4
すべてのAマウントレンズ(MINOLTA製Xi Zoom系レンズ、AF MACRO ZOOM 3x-1xを除く)を使ってEマウントボディでAFが使える神製品。ミノルタのどんなに古いAマウントレンズでも、最新のEマウントボディでAFを使いながら撮影ができる。
ここまで書くと、これを買っておけば間違いなしと思えるけれど残念ながらそうではないのが悲しいところ。AF機能はボディ内のコントラストor像面位相差AFを使うのではなく、マウントアダプター内の位相差AFユニットを使ってAFを行うので、AF測距点が15点に制限されてしまう。例えばα7Ⅲなんかを使っている場合、像面位相差測距点が693点あるのにこのアダプターを使ってAマウントレンズでAFを行うと15点でしかAFができない。
この後紹介するLA-EA5や、サードパーティー製のマウントアダプターとは異なっていてこのマウントアダプター内にトランスルーセントミラーが内蔵されていて、基本的にはイメージセンサーに光が入り、一部の光がアダプター内の位相差検知ユニットに送られる。
レンズを装着したボディはこんな感じ。レンズはMINOLTA AF 50/1.4(旧)。AFユニットが内蔵されているせいでこうして装着してみると下側に出っ張っているのが分かる。Aマウントボディと大して大きさ的に変わらないのではないか、という見た目になってしまう。
また、デメリットとして、トランスルーセントミラーが内蔵されている影響で多少の減光があると言われている。確かに自分もα550を最後に新しいAマウントボディを購入しなかった理由に、こういう別の光学系が入っているというのがちょっと気になってしまったことが挙げられる。
LA-EA5
これもすべてのAマウントレンズ(MINOLTA製Xi Zoom系を除く)でAFが行える、しかもEマウントボディ内の像面位相差AF、コントラストAFが使える素晴らしいマウントアダプター。ただし一部の機種に限る(α6600, α7RⅣ, α7Ⅳのみ)。
上述の一部の機種以外では、SSM, SAMなどのレンズ内モーターを搭載したレンズのみに限って、Eマウントボディ内の像面位相差AF,コントラストAFが使える。
トランスルーセントミラーは内蔵されていないため素通しであり、トランスルーセントミラーが内蔵されていないことにメリットを感じる人にはよいマウントアダプター。LA-EA4ではSSM, SAMなどのレンズ内モーターを搭載したレンズであっても、LA-EA4内の位相差AFを使ってAFを行うが、LA-EA5ではそうではないためこれらレンズを使うときであれば、LA-EA5のほうが優れている、ともいえる。
同じくMINOLTA AF 50/1.4(旧)をLA-EA5を介して装着するとこんな感じ。下側の出っ張りがなくなるので、カメラとして自然な形になる。またLA-EA5はLA-EA4と比較してAFユニットがなく、レンズのAFを動かすためのモーターしか内蔵されていないため、かなり軽量になっている。
過去にはこんな記事も書いている。
K&F Concept Pro Minolta AF-NEX
今回紹介する中では一番安い、K&F Concept製のマウントアダプタ。これは確か5000円しないくらい。正直言うと自分はジャンクレンズ用に買ったもの。SAL70300Gをジャンクで安く買ったはいいものの、レンズ内部が電気的に死んでいて、LA-EA5を介してボディに接続するとボディがうんともすんとも言わなくなるというヤバい代物だったので電気接点がないマウントアダプターということで購入したのがこの製品。
Eマウントボディ側を見ても、Eマウント用の電気接点がない。
電気接点がない?と疑問に思ったあなたは正解である。AFもできなければ、自動絞りもできないのである。Aマウントレンズなのに、M42マウントのようなオールドレンズ遊びをするような気分になれるマウントアダプターである。
Aマウントは絞りをボディ側から機械的に制御するため、絞りリングはついていない。だがしかしこのマウントアダプターには親切に、絞りリングが加えられている。この絞りリングを回すことで、レンズマウント内の絞り爪が動かされ絞りが動くのである。
……正確な絞り値、分からなくない?その通りである。EXIFに記録されないだけではなく、撮影時の正確な絞り値も分からないという意味ではM42マウントのオールドレンズ以下ではある。
ただし純正のマウントアダプターと比べると半額以下である。それをメリットととるかデメリットと取るかはあなた次第。
上のAmazonリンクはPro版ではないほうだが、Pro版は質感も高くボディ側のマウント周囲にシナバーカラーが塗装されているのでかっこいい。1000円高いけど。
3つのアダプター使って撮影してきた
今回の撮影の相棒はMINOLTA AF 28/2.8である。散歩に連れ出すにはちょうどいいサイズ感。逆光の厳しい条件で撮影してきたがその結果はどうだっただろうか。
LA-EA4
(左) α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF 28/2.8 ISO:100, SS 1/4000, F:2.8
(右) α7R + LA-EA4 + MINOLTA AF 28/2.8 ISO:100, SS 1/500, F:8
開放だと甘目なのは、やはりこのレンズの特徴かなあというところ。また開放ではちょこっとゴーストが出ているが、この後示すLA-EA5を使った作例でも出てきているので恐らくトランスルーセントミラーが原因という訳ではなさそう。一方でF8でもごく一点小さなゴーストが出ているが、これはLA-EA5では見受けられない。トランスルーセントミラーが原因なのか、微妙に構図が変わっているのが原因なのか……は謎。
このトランスルーセントミラーが原因で強光下時折ゴーストが出るとかそういう噂自体は聞いたことがあるので、これが真なのかはもう少し使いこなさないと分からないかも。
RAWの等倍切り出しだとこのような感じ(左右は上記写真と同順)。トランスルーセントミラーによって解像が落ちるなどと言われることもあるようですが、これを見る限りそんなことはないんじゃないかなあという気がします。そもそもカリカリに解像するようなレンズではないというのが大きいですが。
LA-EA5
(左) α7R + LA-EA5 + MINOLTA AF 28/2.8 ISO:100, SS 1/4000, F:2.8
(右) α7R + LA-EA5 + MINOLTA AF 28/2.8 ISO:100, SS 1/500, F:8
数分の差はありますが、LA-EA4よりはこちらのほうが明るいかな?という感じがします。もちろんどちらもJPGの撮って出しです。恐らく0.3EVくらいの差は現実にありそうです。
もちろんマニュアルで撮影しているので露出が変わったとかはなさそうです。間に別光学を挟んでしまっているトランスルーセントミラーの弱点でしょうか。
RAWの等倍切り出しだとこのような感じ(左右は上記写真と同順)。LA-EA4とLA-EA5で明確な差、というのはなさそうな気がします。
K&F Concept Pro Minolta AF-NEX
(左) α7R + K&F MINOLTA-NEX+ MINOLTA AF 28/2.8 ISO:100, SS 1/4000, F:2.8
(右) α7R + K&F MINOLTA-NEX + MINOLTA AF 28/2.8 ISO:100, SS 1/500, F:8?
5000円のマウントアダプターですがなかなか健闘しています。こういう画だと内面反射でヤバヤバな写真になるかと思っていましたがちゃんと写っています。ただ絞って撮ったほうは、自動絞りではなく絞った状態でシャッターを切っていることもあってホワイトバランスがちょっとおかしい気がしますね。オートホワイトバランスは使わないほうがいいかも。
あとは開放で撮影していることは分かっても、絞って撮影した場合は絞り値がいくつなのか全く分からないというのはちょっと寂しい部分ではあります。
RAWの等倍切り出しだとこのような感じ(左右は上記写真と同順)。レンズ実力程度の解像は間違いなく出ていますね。使うのに手間はかかるけど、オールドレンズユーザなら十分楽しめるんじゃないでしょうか。
結局どのアダプターを使うべきか?(持っているカメラから考える)
α7Ⅳユーザ
LA-EA5一択です。サポートページによると、LA-EA4を使った際にはMFになると明記されています。LA-EA4搭載のAFモジュールは一切無効化され、MFでしか使えないという情報が記載されています。
LA-EA5を使えば本体側の像面位相差、コントラストAFが使えることから問題ないのでしょうが、LA-EA4を使っているユーザがボディをアップグレードする際には要注意です。
α7RⅣ、α6600ユーザ
これは間違いなくLA-EA5でしょう。どのAマウントレンズでもAFが使える、間にトランスルーセントミラーがなく、すべてのレンズで像面位相差AF&コントラストAFが使えるのはなかなかに素晴らしいです。
実機で動作を見たことがあるのですが、EマウントレンズほどAFは速くないものの実用十分な速度でAFが動作します。これはなかなか気持ちいい。
α7Ⅲ、α7Ⅱ、α7Cなど、上記機種以外ユーザ
【持っているレンズの中にSSM・SAMレンズがある】
SSM、SAMレンズが中心であればLA-EA5でAFが動作しますし、LA-EA4よりも多い測距点を使ってAFが行えることを考えると断然ありな選択肢ではないでしょうか。非モーター搭載レンズで、AFを使いたいレンズがあるのであれば(例えば、SAL85F14Zとか、SAL135F18Zとか?)、LA-EA4という選択肢もありですが。
【持っているレンズの中にSSM・SAMレンズがない】
MFでしか撮らない、というならLA-EA5で、AFで撮りたいというならLA-EA4ということになります。ただし、EマウントレンズのようなAFは期待できない、という点だけは承知しておいたほうがよいでしょう。一方でAマウントボディを思い起こさせるAF動作、動作音は懐かしく思われてくれるものがあるはずです。
これを機にα7RⅣにアップグレード、その上でLA-EA5なんかもオススメですが(自分は買えないけど)。
K&F ConceptのマウントアダプターはAマウントを初めて買う人向け
既にAマウントレンズをいくつか持っていて、という人には純正マウントアダプターがよいでしょう。一方でAマウントの安いレンズを見つけた、ちょっとジャンクっぽいけど使ってみたいレンズがあった、という人はK&F Conceptのマウントアダプターがよいかも。なにせ純正の半額以下ですから。
使い勝手はオールドレンズライクになりますが、とりあえずAマウントレンズがどんな感じかというお試しにはよいのではないでしょうか。
Aマウントレンズは銘玉揃い。今使っても微妙だなあというレンズが少ないラインナップ。Aマウント沼の入り口にぜひどうぞ。
想像以上に記事が長くなったので、LA-EA4,LA-EA5の比較作例は次の記事で
本当はLA-EA4とLA-EA5を比較するためにもっと写真を撮ってきたのに、記事が長くなってきたので別記事で書こうかなと。恐らく次の記事くらいになるのかなあと。
とりあえず今回の記事はここまで。
続きはこちらへ。